眠りたいのに寝付けない…
あるいはいったん眠りにつくことができても、夜中に目が覚めてしまいその後なかなか眠れない…
交代制勤務やうつ様症状、高齢化などが原因で、不眠に悩んでおられる方がたくさんいます。
新潟整体工房では、そういった方々に少しでも「睡眠の質」をよくして頂くための取り組みを行っています。
まずおうちでできる不眠対策のセルフケアとして、三つのポイントがあります。
それは
①ストレス対策②体温対策③明るさ対策
です。
ひとつひとつ説明していきますね。
夜寝る前に、明日の仕事が気になって寝付けない。
今日の出来事(失敗や人間関係のいざこざ)が頭にこびりついて寝付けない。
あるいは漠然と抱える将来の不安・・・
とかく現代人はストレスにさらされていて、そのストレスをうまくコントロールしないと、ここちよい睡眠導入ができません。
なにか気になることがあるときは布団に入って考えずに、テーブルの前でイスに座って、できれば紙に書いて、客観的に考える方が建設的な解決策を思いつくことがよくあります。
布団の中で考えると、真剣に悩んでいるようでも考えが堂々めぐりとなって良いアイデアが思い浮かばず時間だけが経過することがよくあります。
そして寝不足のまま次の日を迎えても、問題解決のためのエネルギーも不足して良い結果につながらないでしょう。
考えるときはイスとテーブルで、床についたら嫌なことや面倒なことは「明日は明日の風が吹く」と一旦頭からリセットしてしまうに限ります。
楽しい事だけを考えて(いやなことは忘れて)、自分の好きな人の事だけ考えて(嫌いなヤツの事は忘れて)眠りにつくように心がけましょう。
睡眠と体温は密接な関係があります。
体温は一日の中で夕方に最も高くなり、早朝に最低となるという概日リズム(サーカディアンリズム)があります。
夜に体温が下がっていくことで自然に眠くなり、夜の睡眠に入っていきます。
睡眠をとる直前に入浴をすると、一旦体温が上がるので寝付きにくくなる傾向があります。
お風呂に入るのであれば、就寝の1~2時間前に済ませておく方がよいでしょう。
余談ですが年齢を重ねてくると体温の下がり始めが早くなり、さらに体温の上がり始めも早くなります。
高齢者の方に「早寝早起き」の習慣のある方が多いのはそういう理由もあります。
明るさ対策のポイントは「朝、強い光(太陽光)を浴びて、寝る前には照度を落とす」ことです。
「夜に寝て朝に起きる」という概日リズムは24時間より少し長め(以前は約25時間といわれていましたが最近の研究では24.2時間くらいといわれています)であることがわかっていますが、太陽光を浴びる事でそのズレをリセットさせることができます。
室内の明るさは太陽光の10~20分の1程度で、曇りの日でも屋外ではし室内の5~10倍の明るさがあります。
起床後2時間以上暗い部屋にいると、体内時計がリセットされにくいので、体内時計をきちっとリセットするためには起床後なるべく早く太陽の光を浴びる方がよいと言われています。
寝付けない、寝にくいという人は起床後に散歩をする習慣を取り入れてみるのもいいでしょう。
概日リズムは朝から始まります。
「昨日遅く寝たから今日はゆっくり寝ておく」という習慣があると、だんだんと概日リズムが遅れてきます。
昨日遅く寝たとしても朝はいつも通りに起床して、早めに太陽光を浴びる習慣を作ることが、規則正しい一日のリズムを作るカギになります。
あわせて、夜に強い光を浴びると概日リズムが長くなり、夜型化が進行します。
「寝る前にスマホを見る」という習慣を持っている人も多いと思いますが、スマホのバックライトに使われているLEDからでるブルーレイ(ブルーライト)は赤色光よりも覚醒度が高まり、そのあとの睡眠を妨害するといわれています。
また暗い室内で光に敏感な状態(瞳孔が開いた状態)でブルーライトを見ると、目の中の網膜を痛めることが昨今話題になっています。
就寝前には室内灯も落とし、スマホを見るのも控えめにすることが安眠の秘訣になります。
「気持ちをリラックスさせる」という意味で好きなアーティストの音楽を聴いて眠りたいという方も多いかと思いますが、一旦眠ってしまうと音楽が鳴っている状態は睡眠の質を落とす一因になるといわれています。
タイマーをつけて、ある程度の時間になったら自動的に切れる形にして上手に利用しましょう。
また「この香りを嗅ぐとあの人を思い出す」ということや「この香りを嗅ぐと高校時代の体育祭のことを思い出す」といったように、香りと記憶は強く結びついていることがよくあります。
原始的な脳である旧脳に、匂いの中枢である嗅索と記憶の中枢である海馬があることが影響しているともいわれます。
自分の好きな香り、懐かしい香りを包まれながら眠りにつくことも安眠の秘訣です。
アロマテラピーなど、香りを上手に使ってみましょう。
新潟整体工房では、アロマテラピーのスペシャリスト(かみさんですが)が受付におります。
ご興味のある方は気軽にご相談下さい。
寝付けない、眠りが浅いという方は、自分自身でも気がついていなくても意外と顔や体が緊張していることが多いものです。
新潟整体工房では眠る前に「顔や体をほぐす体操」をすることを勧めています。
全て仰向けで寝た状態で行ってください。
①頭皮ほぐし
指の腹でゆっくりと円を描くように頭皮をもみほぐします。特に眉毛や額の部分、前後に走る中央のラインは効果的です。ゆっくりリラックスして行いましょう(約30秒)。
②耳ほぐし
耳をほぐすことは頭痛のもととなる側頭筋や首周りの筋肉をゆるめる手助けになるだけでなく、痛み、おそれ、恐怖、悲しみなどの情感を司る「偏桃体」という脳の奥にある部分(直接触ることができない部分)を落ち着かせる効果があるといわれています。
耳たぶをもみほぐすように、耳たぶを深めに持ってイタ気持ちいい程度に引っ張ってみましょう(約30秒)。
③首ストン体操
自律神経を交感神経優位から副交感神経優位にさせるために首の緊張を緩めることが大切ですが、慣れない一般の方が首をほぐそうとしてもなかなか難しいものです。
そこで首周りには首ストン体操が有効です。
まず全力を10として7から8くらいの力で、首を枕に5秒押し付けて、その後ストンと脱力して5秒リラックスする運動を5セットから10セット行う事によって、不思議と首や肩の緊張が緩んできます。
④肩ストン体操
両肩をすくめた状態でできるだけ肩を顔に近づけて、5秒キープした後にストンと脱力して5秒リラックスる運動を5セットから10セット行う事によって肩の力が抜けて緊張が緩んできます。
⑤かかと伸ばし体操
わき腹から伸ばすイメージで、片方のかかとを5秒突き出して、ストンと脱力して深呼吸をする。それを左右2回ずつ行い、気持ちよく伸びる方、伸ばしやすいほうをさらに3回行う事で、体のバランスを整えリラックスしやすくなります。
体操が終わった後は「息を吸うときは酸素が脳にいきわたるような」「息を吐くときは体の細胞に酸素がいきわたるような」イメージで、落ち着いて腹式呼吸をすることを勧めています。
しかし、それでもどうしても寝付きにくい、中途で目が覚めてしまいやすいという方は、薬を上手に服用するのも有効な一つの手段です。
不眠を気にされている方の中で、睡眠薬を危険な薬と認識されている方が少なからずおられますが、現在睡眠障害に関して用いられている非ベンゾジアゼピン系の睡眠薬は、依存性などの危険も比較的少ない薬物と認識されています。
但し、特にアルコール併用の際の健忘作用(記憶がなくなる)や依存性の向上、特に高齢者には筋弛緩作用(力が入りづらい)などの副作用があるので、医師に相談の上、正しい服用を心がけてください。また妊婦、産後の授乳期には注意が必要で、服用は必ず医師と相談してください。
上手に薬も利用しながら、しかし薬に頼りすぎることなく、できるだけご自身の持つ「眠る力」を呼び起こす努力を怠らないことが大切です。
不眠を訴えてこられる方に対しては、その原因が自律神経の乱れからきている方もかなりの割合でおられます。
100%自費診療となります(初回5,500円、2回目4390円、3回目以降3,980円)が、自律神経を整える手技も希望される方には続けて行います。
1回で良くなればそれに越したことはありませんが、症状の特性上、どうしても定期的に通院していただく必要があります。
週1回ペースで3か月、施術にはその人によって合う合わないということが必ずありますから、3ヶ月が終了した時点で続けるべきか、別の方法に切り替えるべきか、またはいったん中止すべきかを患者さんと相談の上決定します。
一度お受け頂き、続行希望される方はその旨院長もしくは受付にお伝えください。